山崎夏生 Youtubeライブトークショー

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■注意事項
YouTubeライブのご視聴環境は各自でご用意いただきますようお願いします。
・配信の複製は禁止いたします。 

ライブイベントに向けた意気込み

いつもの講演では血涙審判物語なのですが、今回は日曜日の夜にくつろぎながら視聴できるような楽しい話を用意します。
「へぇ~」と思うようなプロ野球審判界の裏話がたくさんありますよ。
とはいえ、決してウケ狙いの暴露話ではありません。基本的には真面目にプロ審判員の日々や試合中の苦しみや辛さ、そしてそれ以上の喜びを語ります。
ご期待ください。


著書

「プロ野球審判 ジャッジの舞台裏」北海道新聞社(2012年3月)1,430円
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「全球入魂!プロ野球審判の真実」北海道新聞社(2020年5月)1,430円
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Youtubeのチャットにいただいたご質問

オフシーズンに選手とお会いすることはありますか?
全くありません。たまたま幕張イオンやアウトレットなどで会うことはありますが、じゃそこで「飯でも食おうか」とか「軽く一杯やっか?」などということは絶対にありません。そういった付き合いはご法度ですし、番組の中でも言ったように選手と審判は野球界の「仲間」ではありますが、「友達」ではないからです。こういったけじめはきちんとつけるよう若手審判にも厳しく言っていました。
ただしNPB審判部を退いた今はもう私人ですから、気楽に付き合える立場です。名前は出しませんが、アマチュア球界に復帰し監督やコーチをしている、あるいはプロ野球OBクラブでの活動などを通じて親しく話したりする元選手はたくさんいます。
審判員の方は、担当する試合のどのくらい前に球場入りされるのでしょうか?
     また、球場入りして、先ず最初に行う事が有りましたら、お教えください。
練習をする場合は3時間前、通常は2時間前には球場入りします。皆、自家用車ですから万一の渋滞のリスク回避のため、早めに到着しています。やはり心の余裕がないといい仕事ができませんからね。
遠征地の場合も同様で、ホテルからはタクシーでの球場入りです。
球場入りしてまずすることはバッグを開けてユニフォームや用具の確認。今は控え審判がいますから、万一、ユニフォームなどを忘れても何とかなりますし、球審の用具一式は予備用で各球場に置いてあります。
試合前のウォームアップも重要ですから、各自、審判室内でストレッチをしたり眼球運動をしたりしてから試合に臨みます。
ニューバランスのプレートシューズ、塁審シューズをお使いになっている審判はいらっしゃいますか?
はい、今はミズノ、SSK、ニューバランスの3社から各自の好みに合わせた選択制となっています。どれも品質は最高級で、セミオーダー品です。球審用は安全性重視、塁審用は動きやすさ重視ですね。
アメリカ、中南米、韓国、台湾など諸外国と比べて、日本の審判の位置付けの違いを感じることはありますか?
アメリカは圧倒的な権威の高さを感じます。何しろ審判学校の同期300名ほどの中からMLBまで昇格できる審判は1人か2人しかおらず、メジャーリーガーになるよりも難しいと言われています。それゆえに監督や選手からも一目置かれる存在です。また彼らには定年がないので、昇格するには運とタイミングが必要です。3Aから最後の壁を突破するのがもっとも大変でしょう。
ちなみに毎年30名前後がルーキーリーグに採用され、そこから1A,、2A,、3Aとふるいにかけられ、メジャーに行き着くまでには最低でも10年くらいはかかります。この点の厳しさはNPBも同様です。
中南米の審判事情は寡聞にして知りませんが、アメリカの審判学校にはこれらの国からも多数、参加していました。
韓国は先輩・後輩の序列が厳しく、体育会的な香りが強く残っています。フェニックスリーグを通じ、日本の審判界とも交流があります。一軍と二軍は明確に分けられており、先輩の言うことは絶対です。彼らはとにかくコールの強さが特筆ものです。ボリュームも切れもあります。
台湾の審判界とも交流があり、90年代からは元セの丸山博氏、福井宏氏、元パの橘修氏らが技術指導にフルシーズンで出かけていました。また他国の審判も受け入れており、外国籍の審判もいました。今春から昨季をもってNPBを退任した佐藤純一氏が現役兼任で指導に当たっております。
怪我をされた事はありますか?
はい、何度もありますよ。ファウルチップが当たって手の甲にひびが入ったこともありますが、もちろん途中交代などせず最後までやり抜きましたし、その後も休みませんでした。ギックリ腰になった時には座薬を打ち、腰にギュウギュウにコルセット巻いて出場しました。不思議と「プレイボール!」のコールとともに痛みは薄らぐのです。試合後ははいつくばっていましたが…。
球審と塁審は試合当日に指名されるんですか?
いや、さすがにそれでは気持ちの準備ができません。3週間分くらいずつ出場割り当てが送られてきて、それに従って出場します。一軍ですと球審を終えたら控え審判か休み、その後3塁、2塁、1塁というローテーションになります。二軍戦は3人制ですので控え審判はなく球審、3塁、1塁といったローテーションです。
道具のインジケーターですが、その操作が出来てなかったり、誤操作が万が一あった場合はどうするのでしょうか?
     またその際にスタジアムのBSOカウントを見たりするのでしょうか?
はい、球審は必ず持っていますし、塁審もできるだけ持つように、と言われています。カウントミスが生じるのはほとんどがスコアボードの誤操作ですから、決して全面的に信用してはなりません。万一、不安でしたら必ず公式記録員席に向かい、何らかのジェスチャーで確認をします。もしもカウントミスのまま試合が進行してしまっても、次打者が打撃完了する前でしたらリセットし、正規のカウントからやり直しをします。かつてはそれができませんでした。こういったミスはもちろん審判の処分対象となります。たとえ、スコアボードの誤操作としても審判団がその責任を取らなければなりません。
現役一押し審判いますか?
全員を等しく応援していますので、それはご勘弁ください。あえて言うならば、11年目以下の直接、採用から指導に関わった若手が今も気になります。彼らが球審などをしている試合は本当に祈るような気持ちで見つめています。
野茂対清原の裏側を聞きたいです
特に印象的な対決でしたね。単なる投打の勝負ではなく、真剣での斬り合いのような迫力を感じました。こういった瞬間に立ち会えるのが審判という仕事の魅力の一つでしたね。ジャッジしないで良いのならば、球審は最高の特等席でした。